千葉県の風俗営業許可専門の行政書士が教える営業所平面図の作成方法

こんにちは、行政書士の河野秀和です。

みなさん営業所平面図の作成でつまづいていませんか?

今回の記事では、営業所平面図の作成方法について分かりやすく解説します。

営業所の平面図とは

千葉県警のHPから、風俗営業許可申請に係る添付書類一覧をダウンロードすることができます。

ここに「営業所の平面図」とあるのですが、みなさんこれが何を指しているかお分かりでしょうか?

実は申請では、平面図だけでは足りません

ここでいう営業所の平面図には、こちらの4つが含まれます。

風俗営業許可申請には必要な図面は沢山ありますが、基本的な図面はこの4つです。

今回はこの4つに焦点を当てて、解説していきたいと思います。

平面図の書き方

平面図とは、まさしく営業所そのものを記載した図面です。

この図面をもとに所轄警察署の担当官が営業所の実査を行いますので、この図面は許可申請書に添付する図面の中でも、非常に重要な図面となります。

1.営業所の計測準備

店舗の計測をするにあたって、必要なものをそろえます。

まずは大家や不動産業者に営業所の見取り図があるか確認します。
オーナー様が内装工事図面を持っている場合もあるので、それも確認しましょう。

見取り図の有無で、計測時の手間が大幅に変わります。営業所の構造が複雑な場合はなおさらです。
それらの図面がない場合は、フリーハンドで構わないので見取り図を自分で作成しましょう。

ここで気をつけるのは、それらの図面はあくまでも計測時の参考資料にしかなりません。営業所平面図として許可申請書にそのまま添付することはやめましょう

店舗の計測時に私が使っているのは、主に次の3つです。

営業所が真四角だと上記の3つで事足りるのですが、営業所の壁が斜めになっている場合もあるので、次の2つも場合によっては必要となります。

以上のものを準備できたら、営業所の計測に向かいます。

2.営業所の計測

まず、見取り図に沿って壁、柱、仕切りなどを計測し、営業所内の縦と横の最長距離も計測します。

計測するときは、基点を決めて時計回り又は半時計回りで行うと良いでしょう。

次に、営業所内の造作と設備の計測をします。

シンクや冷蔵庫など、客室の中に無いものは後述する設備一覧に記載する必要がないので、正確に計測する必要はありません。

しかし、私は平面図を作成する際に実際の寸法が分かった方が楽なので、それらについても計測するようにしています。

仕切りやついたて、カウンター、イス等を計測する際は、見通しが悪くなるような設備は設置することができない点に注意しながら計測します。

イスやテーブルの数も実査の際はきっちり数えられますので、間違いがないよう数えましょう。

私はこの時に床の段差についても「UP=○○」と見取り図に記載していきます。

最後に、営業所内の照明・音響設備についても確認します。

小さなダウンライトが切れていて見落とすこともあるので、見落とすことのないよう、注意しながら照明器具の種類、ワット数、位置を見取り図に書き込んでいきましょう。

音響設備についても同様です。

営業所の計測を一通り終えたら、私は最後にスマートフォンで動画を撮るようにしています。
営業所の中を後で見返すことができ、これが実際にCAD で図面を作成する際にかなり役に立つことが多いです。

営業所の計測は見落とすと何度も営業所に足を運ぶことになり面倒なので、十分注意しながら行いましょう。

参考に私の事務所をフリーハンドで計測したものを載せておきます。

私は、事前に見取り図が準備できた場合には、計測用・造作設備用・照明音響用で計3枚の見取り図を持って計測に向かいます。そうすることで、見取り図が煩雑にならず、CAD で図面を起こす際に仕事がし易くなります。

3.CADで図面作成

計測が終わったら、CADで図面を作成します。

実務の中で1番の重要業務が保全施設の調査だとすれば、1番技術が求められるのが図面の作成ではないでしょうか。

CADソフトには有料から無料のものまで様々なものがありますが、私のおすすめはJw-cadです
Jw-cadは無料で、さらに本屋に行けば参考書も沢山あるので、最初は独特なマウス操作に戸惑うかもしれませんがかなりおすすめです。

実務ではJw-cadが扱えれば十分でしょう。

以下が実際に実務で作成した平面図になります。

千葉県の場合、営業所内の客室面積と調理場面積は内壁で計算しますが、営業所面積は壁芯で計算します。

上の平面図を見ると、営業所面積を表す青線は壁と壁の中心に引かれていますが、赤色や緑色の線は壁の内側に引かれているのが分かると思います。

各客室を表す線の色も

と決まっておりますので注意してください。

造作・設備も営業所で確認した通りに配置していきます。

ここで冷蔵庫や棚等の設備の寸法を図っておくと、配置が綺麗に決まって図面作成がスムーズですし、綺麗に整った図面になります。

実査をされる警察の方が分かり易い図面を作成することも、スムーズに申請を許可してもらうためには必要です。

客室内の設備については、実際の数と位置に違いが無いように記載します。
上記の例では平面図の余白に客席凡例を記載していますが、別紙で設備一覧を作成しても大丈夫です。

この時に、イスの背もたれの高さやカウンターの高さ、腰壁の高さが概ね1m未満でないと許可になりません。

ここで上記の図面を見ている方の中には、

「あれ?カウンターの高さが1m超えてるよ?」

と思われた方もいるかもしれません。
はい。その通りです。

しかし、この場合は大丈夫なのです。

この「見通しを妨げる設備」問題については、また別の機会に詳しく説明いたします。

営業所面積の求積図の書き方

この図面は、営業所全体の面積を求積するための図面です。

共用部分に当たる場所(共同階段、共同ホール等)は営業所面積には含みません。
※営業所にバルコニーがある場合は、避難用タラップがあると共同部分とみなされるなど判断がつきにくい場合もありますので、そのような場合は所轄警察署の担当窓口に問い合わせましょう。

面積の計算方法は、基本的に四角形、三角形、円、台形から計算します。

円には上記のサンプルのように楕円もありますが、基本的には円形の計算式と同じです。

上記のサンプルでは、営業所全体をA〜Fの6つに分けて求積しています。それぞれにA〜Fの記号を付けて計算します。

千葉県の場合、求積計算は小数点第4位で計算し、最終表記は小数点第3位を四捨五入して小数点第2位で記載します。

下記の表が、求積図に添付した表になります。
サンプルでは別紙に記載していますが、求積図の余白に収まるのであれば求積図と一緒でも大丈夫です。

客室求積図の書き方

この図面は、営業所内の客室と調理場の面積を求積するための図面です。

ここで間違えやすいのが、客室はどこまでを含むかという点です。

客室の定義については解釈運用基準によると、

「客に飲食をさせ、又は客に遊興をさせるために客に利用させる場所」

となっています。

客室面積に含まれないものとしては、
床から天井までを支える柱や壁(単なる間仕切りやパーテーションは含まれない)
などが当たりますが、客室面積の計算方法について判断がつきにくい場合は、所轄警察署の担当窓口に問い合わせて下さい。

求積図の求積方法と添付の表については、営業所全体の時と同じなので割愛します。

照明・音響設備図の書き方

最後は照明・音響設備図です。

この図面は、営業所内の照明設備と音響設備の配置、名称と数を記載した図面です。

照明設備の名称と一緒にワット数も記載しますが、同じ種類の物でもワット数が違う場合は区別して記載します。

当然ですが、この図面と実際の数が合わないと許可はおりません。
見落としがない様に気を付けましょう。

以下が添付した照明設備と音響設備の表になります。

まとめ

ここまで平面図の作成方法についてなるべく細かく説明してきましたが、所轄の警察署によって対応が違うこともあるので、迷ったら警察署に問い合わせて下さいと書いたのもそのためです。

平面図の作成とは話が逸れますが、千葉県内であっても誓約書の扱いや公共料金の明細添付の扱い、用途地域の証明方法等、違いは多いです。

しかし、警察の方も明言ができない事情もあり、問い合わせても答えていただけないこともあります。

そういった事情もあり、本人申請の場合は申請書類の準備に時間がかかることが多いです。

不備を指摘され、何度も警察署を行ったり来たり、また申請を受理されてからも何度も書類の差し替えを指示される事もあります。

一般的には、本人申請と行政書士が関与したケースとでは、許可までの期間が1ヶ月以上違います。不慣れな手続きに振り回されるよりも、1日でも早く許可を取得した方が経済的にもメリットとなることは間違いありません。ここは風営法に精通した行政書士に依頼し、早めに許可を取得する選択肢を取ることを強くお薦めして本稿を締めくくりたいと思います。

弊所では、千葉県を拠点に関東全域にわたり、風俗営業の許可申請をサポートしております。弊所のモットーは「お客様に寄り添ったサービス」です。私自身も飲食点を経営しており、この業界のさまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応には自信があります。見積もりだけでもOKです。風営法の手続きでお困りの際は、ぜひ弊所までお気軽にご相談ください。